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大動脈瘤破裂と急性大動脈解離【健康ガイド】

松原徳洲会病院(天美東7丁目)
 院長 吉田 毅


「大動脈瘤」「急性大動脈解離」とは

 突然死の原因として大動脈瘤破裂や急性大動脈解離という病気がよく報道でみられるようになりました。昨年2月に亡くなった笑福亭笑瓶さんは記憶に新しいところです。

 大動脈瘤と急性大動脈解離では同じ大動脈が破裂する病気ですが別の病気です。大動脈は心臓から出る太い血管で、約3センチの太さです。胸の真ん中を上方に向かい左後方へ弓形に曲がり、背骨の左側を通り、横隔膜を通りすぎるとほぼ椎体の前を通り腰のあたりで二股に分かれます。この大動脈が瘤のように太くふくれているのが大動脈瘤です。徐々に大きくなり、風船のように破裂します。大動脈瘤破裂です。大動脈瘤があるだけでは症状はありませんので、人間ドックなどでCTやエコーをして見つかる場合や、他の病気で病院へ行ったときに見つかることがほとんどです。

大動脈解離の予防について

 一方大動脈解離は突然大動脈の血管壁が裂ける病気で予想ができません。検診でもみつかりません。また誰がなってもおかしくないので脳卒中などの突然起こる病気と一緒です。なりたくありませんね。

 予防の第一は血圧管理です。突然死を防ぐ第一歩は血圧管理です。上の血圧(収縮期血圧)を120以下にしましょう。食事では塩分制限、適正な体重維持。血圧と体重は自宅で簡単に測定できます。それでも血圧が高ければ薬が必要です。かかりつけ医とよく相談して突然死の予防に努めてください。