食あたりと口臭についての対策【健康ガイド】
食あたりにならないために
片平内科(天美南2丁目)
院長 片平克俊
食べ物についた「有害なもの」が原因で胃腸炎の症状を起こすことを、食中毒と呼びます。胃腸以外の症状を起こすこともあります。「有害なもの」には、食べ物についたばい菌(ウィルス、細菌や寄生虫)や毒素(細菌が作った毒、キノコの自然毒など)が原因になるものがあります。
細菌による感染を防ぐには
細菌が原因になるもの(感染型)は、菌を食べ物に「つけない」「増やさない」「やっつける」が大事です。体の抵抗力が弱い方(免疫を抑える治療を受けている方、高齢者、乳幼児など)は、これから気温の上がる時期には、気を付けたほうが無難です。
「つけない」は、調理を始める前や食卓に着く前などの手洗いが大事です。「増やさない」は、食品は早めに冷蔵庫に入れて、早めに食べましょう。「やっつける」は、多くの細菌は、加熱で減らすことができます。鶏や獣類は、十分な加熱調理が安全です。細菌の増えやすい20度〜50度に長く置かないようにするのが無難です。一方で、少しくらい加熱してもダメな毒もあります(多くの毒素型)。常温で長時間放置した、カレーや焼飯などには再加熱しても生き残る菌がつくときがあります。作りすぎにも気を付けましょう。
口臭について
松原市歯科医師会
よく胃が悪いと口臭が出ると言いますが、ほとんどは誤解です。胃食道逆流症(逆流性食道炎)など、いくつかの消化器疾患では口臭が出ることがあります。一方、ニンニクなどの食物を食べると、アリル化合物あるいはセレニウム化合物などのガスが腸を介して肺から排出され、口臭の原因になります。同様に、肝臓病などでも、臭い物質が肺から出てくることもあります。鼻の病気の臭いを口臭と勘違いする場合もあります。鼻づまりなどがあれば、耳鼻科受診を考えてください。扁桃腺炎があると、まれに口臭の原因になることがあります。
口臭の原因
口臭の主な原因は揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン)です。歯周病原菌は、硫化水素より悪臭の強いメチルメルカプタンを大量に産生します。硫化水素は毒ガスですので、歯肉を溶かす強い作用があり歯周病の原因となります。歯周病になると強烈な口臭が生み出されることになります。
口の粘膜は皮膚の垢(あか)と同じように、細胞が剥がれ落ちて、舌に白く溜まり腐敗します。これが舌苔(ぜったい)です。舌苔は最大の口臭源で、口臭の6割が舌苔から発生します。歯周病の口臭は、歯肉から発生すると誤解されていますが、実は多くが舌苔から発生します。
必須の口臭対策!
最も必須の口臭治療が舌清掃です。舌の清掃道具は大きく分けて舌ブラシと舌ベラがあります。舌ブラシには、さらにワイヤー植毛(捻りブラシ)とプラスチック植毛さらに軟性プラスチックブラシがあります。舌清掃は朝食直後、歯磨き前に行います。舌を傷つけないように気をつけて行います。ただし、歯周病予防のための定期健診・歯石除去を習慣化しないかぎり、舌清掃の効果も限られます。この点に注意してください。