万博コラム vol.2〜万博とは何か?〜
2025年日本国際博覧会協会の西本敬一と申します。いよいよ来年4月に大阪・関西万博が開幕します。第2回のテーマは「万博とは何か?」です。
万博を巡っては、報道等も含めて様々な疑問が挙げられます。テーマパークや見本市と何が違うのか、インターネットや海外旅行の時代に必要なのか等々の疑問です。そこで第2回は、そもそも「万博とは何か?」について3点紹介します。
西本敬一
【プロフィール】
2025年日本国際博覧会協会
経営企画室・上席審議役
・日本貿易振興機構(JETRO)から出向(2022年8月~)。海外勤務経験:計12年(オーストリア、ドイツ、米国ニューヨーク・ロサンゼルス)
・2000年ハノーバー万博日本館で総合プロデュース業務に従事した他、四半世紀にわたり、5つの大規模万博(ハノーバー、愛知、上海、ミラノ、ドバイ)全てを視察調査。直近のドバイ万博も2回の現地調査を通じて全192パビリオンを分析。
1. 公衆の教育
1点目は「公衆の教育」です。国際博覧会条約第1条には、万博の定義として「公衆の教育を主たる目的とする催し」と書かれています。やや堅苦しい表現ですが、世界と未来を「学ぶ」人類最大のイベントと言い換えても良いでしょう。主体性や対話を重視するアクティブラーニングにも通じることから、教育関係者の皆様にも万博を活用頂けるとありがたいところです。
2.時代を映す鏡
2点目は「時代を映す鏡」です。170年の歴史を誇る万博は、常にその時代時代を反映してきたイベントです。万博は未来のイベントと思われがちですが、実は「世界の今を知り、未来を考え想像する場」が万博です。SF的未来ではなく、想像可能な近未来がポイントです。大阪・関西万博には既に161の国・地域が参加を表明済で、70年大阪万博の2倍を超えています。これ程の規模で世界の今をリアルに知る場は、万博以外には存在しません。
3.世界の人々が一堂に会する場
3点目は「世界の人々が一堂に会する場」です。共通のテーマの下、半年間もの長きにわたり、世界の人々が同じ場所にリアルに集う比類なきイベントです。海外各国のパビリオンのみならず、日替わりで各国のイベントや記念式典が楽しめるナショナルデー等、世界中のあらゆる人々の息づかいをリアルに感じ、深く対話し交流できる一生に一度の機会といっても良いでしょう。2005年の愛・地球博では、多くのリピーターの方々が世界の人々とのリアルな対話と交流を楽しみました。
万博とは何か?について、公衆の教育、時代を映す鏡、世界の人々が一堂に会する場の3点を紹介しました。次回以降、このような万博が持つ魅力をお伝えすることで、多くの方々にとって、来るべき大阪・関西万博が一生に一度の機会となるようお手伝いさせて頂きます。
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